12月のことになりますが、平成30年度、福島県遊休施設等活用推進コーディネート事業として、主催である福島県から、株式会社LIFULLが委託を受けて開催された「地域を元気にする空き家・遊休施設活用セミナー」にて、お話をさせていただきました。

今回開催されたセミナーのテーマは、「空き家・遊休施設×交流拠点」。シェアハウスや図書館、カフェ＆シェアスペースなど今までの活動を通し、長く続ける仕組み、人が集うために工夫してきたことなど、具体的にお話をさせていただきました。

シェアハウス星空の家だけではなく、星空の小さな図書館、星空スペースは、どれも空き家を活用した場所です。過疎の進む地域での空き家活用事例として、物件との出会い、立ち上げから今に至るまでのお話をさせていただいたのですが、皆さん、とても熱心に聞いてくださいました。

このようなお話をさせていただく際に、いつもお話することは、空き家が問題ではなく、空き家を活用したい人と空き家とのマッチングが進んでいないことが問題であるということ。ご縁が繋がっていかないことが、そもそも考えなければならない課題のような気がします。ご縁の「つなぎ役」が地域に増えていけば、より活用が進むのではないでしょうか。

たとえば、空き家をもっていて管理に困っているならば、すでに活用をされている人に相談にいってみるのも一つの方法かもしれません。
すでに実践されている人の周りには、空き家の活用に興味のある方や、これから自分でもやってみたいと思う人が集ってきています。そこからいいご縁につながることも多いと思います。もちろん自治体に相談に行くこともひとつです。いすみ市でも空き家バンク制度がありますし、職員さんたちもとても熱心なので、きっと色々と相談にのってくださいますよ。行政に相談にいくことは地域の今も知れるので安心できるかもしれませんね。

もし、今自分が空き家を探しているならば、焦らずゆっくりとまずは、人とのご縁をつないでいってはいかがでしょうか。持ち主さんも、突然、知らない人と話をすると構えてしまいますよね。特に見知らぬ地域で何かを始めようと思うと、地元の人に応援してもらうということは長く続けていくためにも大切なことだと思うのです。星空の家も、星空スペースも地元の方に口添え頂いたことで、スムーズに地域に溶け込むことができました。
便利な世の中になりました。海の向こうの人にもSNSで簡単に近況が報告できるようになりました。でも、いなかに行けば行くほど、実はお隣さん含めてご近所の方にきちんと情報を届けることって難しいのです。日々のちょっとしたあいさつ。人が大勢来る場合は事前にお知らせしておくとか、地域の回覧板でチラシをくばるとか。SNSでは届かない人にもちゃんと情報を届けることを忘れずにいることが大切なことのような気がします。
物件ありき、自分の理想ありきではなくて、ちゃんとそこで長く続けていく覚悟を、地域の一員としての務めを果たす覚悟を、ちょっとでも持つことも忘れずにいたいですね。

そして、今回参加されていた方が最も多かったのは自治体、行政の方。みなさん置かれている状況や環境がきっと違うことでしょう。だからこそ、今回のお話は参考として聞いていただけたと想いお話をしました。きっと同じことをしてもうまくいかないからです。そう、答えは一つではないのです。それぞれがそれぞれにあったやり方があるのです。
すぐには形にならないかもしれないけれど、少しずつでも小さなことでもまずはやっててはいかがでしょうか。そこからきっと見えてくることがあると思います。

今回、会場からの質問でも出ましたが、「支援」というと補助金、助成金になりがちです。出し方についてもよくよく考える必要がある気がします。星空の家も、図書館も、星空スペースも、補助金も助成金も、クラウドファウンディングにも一切手を出さずに続けてきたことは、実は一つにこだわりでした。補助金、助成金がなくてもできるとこからはじめることはできるのです。
「依存」ではなく、「支えあう」支援を、行政だからこそできる地元と移住者の「つなぎ役」をぜひお願いできたらなと思います。

場をつくること、コミュニティをつくることは目的ではなくて、手段。「その先」にあることを見失わず、大切にしていますか？
「その先」にあることからじわじわと広がっていくことが、やがて大きなコトになっていくのだと思います。

今回は、多くの方に参加いただきありがとうございました。
両親の故郷でもある福島でこのような機会をいただきうれしかったです。

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