いなか暮らしと、都会暮らし

星空の家では、ろうばいに続き、梅がきれいな花を咲かせました。

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今日は2月にも関わらずとても暖かな1日。厳しい寒さもひとやすみかな。管理人の私は、千葉県いすみ市に来て、ちょうど2月で丸5年。シェアハウスがはじまって3年半。こんなにも自然を身近に感じ、季節の移り変わりを感じられるようになるとは思ってもいませんでした。5年の時間が経った今でも、時々東京での暮らしのことを振り返ります。

東京で会社員をしていた当時、仕事は充実していたけれど何か日々もやもやしていました。
20代はそんなものなのかもしれないけれど、そう簡単に割り切れるものでもありません。
流行のものを取り入れて、都会のオシャレさんでいたいと思っていた。
でも、流行に流されるんじゃなくて、しっかり自分の基盤を持っている人がカッコイイと、憧れる日々。

ホンモノは都会じゃないとないと思ってた。
でも、ある日、もしかしたらちょっと違うのかもと、思ったのです。

街中の広告を見て「もうすぐ春なんだ」と思うよりも、
木々や花の移り変わりで季節を感じたい。

お盆休みを指折り数えて待つよりも、
セミが元気に鳴きだす声で夏のはじまりを感じたい。

紅葉を見に休みの度に自然を求めて遠出するよりも、
もっと身近に自然があってもいいんじゃない?

街のネオンもきれいだけど、真冬の満天の星空はやっぱり感動する。

毎日なんとなく口にしている食べ物に、ちょっとだけでも気をつかいたいけれど、
日々忙しく暮らしていると忘れてしまいそう。

お金がすべてじゃないと思うけど、現実はそう言ってられないよね。
ホントは、お金じゃない価値をもっと大事にしたいんだけど。

鳥のさえずりも、木々のざわめきもつくられた音じゃない。自然の音を聞いていたい。
満員電車にサヨナラを言って、もっと自由に生きてみたい。

ちゃんと地に足つけて、胸をはって、自分が好きだと思える暮らし、してるかな。

そんな小さな疑問から、もっと自分の暮らしについてきちんと考え始めたのだと思います。

料理人、大工、デザイナー、カメラマン、プログラマー、農家。
わかりやすい肩書を持つことができないままいすみ市に引っ越し、
「会社員だった」という古い肩書だけで暮らしていくのは自分探しの日々でした。

でも、”いなか暮らし”は選ばれた特別な人のためだけのものではないと思うのです。

自ら起業はハードルが高いけれど、小さくても人の役に立つ仕事をしたい。
「手に職」と呼べるものはないけれど、自分らしい仕事がしたい。
人に意見を求められるとなかなか上手に言えないけれど、でも、「今」と「これから」のこと、考えてる。

そんな人でも始められるぐらい、暮らし方の一つの選択肢として”いなか暮らし”のハードルがもっと低いものになればいいのに。

5年前、いすみ市に移住することを決めた時に抱いた想いは今も変わりません。
思い描いていた理想の暮らしには、まだまだ届かないけれど、振り返ってみたらシェアハウスと図書館ができていた。歩んできた道には何かしらカタチになったものもあったみたいです。

最近では、一人ひとりがちゃんと自分のことを考えて、自分に合った居場所で、自分らしい暮らしや仕事ができたら、ちょっとだけ世の中はいい方向に向かっていくんじゃないのかなとも思います。とっても難しいことだけど、それでも日々を大切に、丁寧に積み重ねていきたいものですね。

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写真はいすみ鉄道のとある踏切。春になったら菜の花がとってもきれいです。